2006年06月22日

人事異動

人事異動

[書評]
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頭脳明晰ビジネスマン新井さんのリタイアまでのストーリー。できるがゆえに権力と嫉妬の渦に巻き込まれていく…。1982年発刊(「自らの定年」という題名で先に連載)、高杉良さん作ビジネス小説。

ちょうど今、会社の仕事のことで悩んでいることが多くて、言ってみれば、事業や業績は勝手に上向いている状況で、要は景気は良くて、これは自分たちの営業力のおかげではなくて、市況がそうさせているというのが私の判定なんだけども、そうはとらずに自分たちの営業のたまものだとアピールしているやからがいて、実際に当人たちはそう思っているふしがあって、勘違いも甚だしいのだけど、世の中ってのは、十人十色で到底自分には理解できない構造認識をもつ人っていうものが存在していて、それ自体は認めるけれども、実際にそれらが自分の周り、直近にいたとするときに、どれだけの対処が自分にできるかといえば、それは案外どうにもならないのだと思います。

どうしようもねえなあ、と思う人が自分の上司だとしたら、あなたならば、どうしましょう。そんな思いに悩まされている昨今に、こんな感じのビジネスマン小説が読みたくなるんですねえ。自分を当てはめてみたり、他者を登場人物に当て込んでみたりして、気分を紛らわしたり、倫理観や道徳観について考えたりしている今日この頃だったりします。そんな方って案外多いのではないでしょうか。
posted by susan at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月20日

内側から見た富士通

内側から見た富士通

[書評]
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ビッグカンパニー「富士通」の元社員が、明らかにした富士通の内側の話。企業はこうして崩壊していくのであった。2004年発刊。

企業の潜在的問題をとらえた良書。企業に勤める方が読んでみたら、共感するのではないでしょうか。共感する部分がなければ、あなたは幸せで、めでたい人なのでしょうねえ。
――自分がポストについている間に、あえて貧乏くじを引こうなんていう管理職はいませんよ。
だから、状況が厳しくなりつつあることがわかっていても、なんとか耐え忍んで、関係会社の役員にでも天下りたい、それが彼らの本音です。これは、問題の先送りです。――


企業実態
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2006年06月13日

点と線

改版

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安田辰郎は、一月十三日の夜、赤坂の割烹料理亭「小雪」に一人の客を招待した。客の正体は・・・。
松本清張代表作、昭和32年連載推理小説。

ということで、松本清張さんです。何でか点と線を読んだのですが、前々から母が点と線は面白いと言っていて、どうも団塊世代の若者だったころにこれらの推理小説がはやったみたいで、文庫になってから買った本書をずっととっておいたのですね。読もうか読もうかと先延ばしにしていたのですけれど、ついに手元の文庫が切れたのを機に読むことになったのでした。

本自体は、すっかり黄ばんでしまっているものの、大切に保管されていたので、頁が折られていることもなく、無論アンダーラインなんかもなく、しおりも残っていて、読むに十分の状態、なんですが、昔の文庫はいかんせん字が小さい。ずいぶんと小さな字を読んでいたんだなあ、と妙なところに感心したりして、それでも、読んでいくうちに字の小ささには慣れていき、ストーリーも分かりやすいので、物語の中へと自然と入ってゆくのでした、ぽよよんと。

で、内容はというと、実はそれほど大したものではないような気がするのが正直な感想で、文体が面白いわけでもなく、ストーリーが有り余るほど面白いわけではない。昔の映画を見ているかのようといったところでしょうか。当時ならば、当然面白く読んでいたでしょうし、今となっても、推理小説界の流れを知ったうえでの方の読み方だったら、また違う感慨があるような気もします。 個人的には、今となっては古臭い時代背景が好きだったりします。
――彼はさすがに、汚職問題でその部をやめて他部に移りましたが、なんと移った新しい部が前よりはポストがいいのです。そんなばかなことはないのですが、役所というものはふしぎなところですね。将来、局長になり、次官になり、あるいは代議士ぐらいに打って出るかわかりません。かわいそうなのは、その下で忠勤をはげんで踏台にされた下僚どもです。上役に目をかけられていると思うと、どんなに利用されても感奮しますからね。「出世」したい気持ちはかなしいくらいです。


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posted by susan at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 推理小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月08日

日本の黒い霧(下)

パージで追われた人間は、どこにも就職出来ないとなると、小さな商売をするか、ニコヨンになるしかない。貧苦と経済的な窮乏は、次第に彼らからイデオロギーを奪い取る。食うためには何でもしなければならなくなる。
日本の黒い霧(下)新装版

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松本清張著、戦後の日本における実質未解決事件の真相推理、後編。1974年発行。終戦後の怪奇な事件郡を知りたい方は、一読されてみてはどうでしょう。概観は掴めると思います。
征服者とダイヤモンド
帝銀事件の謎
鹿地亘事件
推理・松川事件
追放とレッド・パージ
謀略朝鮮戦争
なぜ『日本の黒い霧』を書いたか
終章に書かれているのですが、本書(上・下とも)の内容に関しては、筆者が書きたい、伝えたいことだけを重要視して書き上げていて、非常にドラマチックではなくて、事件が謎めいているとしても、淡々と推理と証言と実務が綴られ、最後にどんでん返しあるいは解決、のような小説的展開を期待して読み進むと、そうではなくて、尻切れトンボの如く各章は終わってしまうんです、淡々と。幾ばくかの箇所では、想像で胸を躍らせましょうが、原則は淡々と読んだらよいと思います。

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2006年06月02日

日本の黒い霧

日本の黒い霧(上)新装版

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日本の戦後における奇妙な歴史と時代を反映した未解決事件のリポート群。いくつかは、聞いたこともなく、いくつかは聞いたことのある事件だったりするのではないでしょうか。1974年出版、松本清張作品。

下山国鉄総裁謀殺論
「もく星」号遭難事件
二大疑獄事件
白鳥事件
ラストヴォロフ事件
革命を売る男:伊藤律
清張さんの文体というのは、推理小説にしても、ある意味で面白みがなく、歴然としていて平然としていたりします。これが好きになると、いわゆるハマるというヤツで、何でも手にとってしまいたくなるのかも知れませんが。

とはいっても、なんで清張さんが好まれるかというと、真実味であるのだと思います。小説にしろノンフィクションにしても、どちらも本当の出来事やこれが真実なのだと、説いてるから読み手っていうものは、安心して楽な気持ちで楽しみながら、そして一緒に推理の進展を愉しんでいるのでしょう。殺人事件であっても、読者は楽しみにしている…。

現代が悪い時代になったとか言う人は、しばしばいるのですけれども、戦後のような奇妙で怪奇な事件は今はなく、そういう観点からすれば、現代は平和なのだということが言えましょう。廃れているっちゃあそう思いますがね。
なぜ、ゾルゲの所属のことをこう書くかというと、後述するアメリカ陸軍省関係のものがまた変った結論を出しているからである。それはあとで触れるが、要するに、ゾルゲ事件の利用価値は、これを使う者の立場や目的のために、そのつど変っていることが見られるからである。このことで、公式文書や権威ある資料というものが、いかにいい加減なものかという教訓も受ける。


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posted by susan at 02:04| Comment(1) | TrackBack(1) | 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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