[書評]
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風雲幕末前夜祭、第二巻。吉田松陰死す。そして高杉晋作登場。
司馬遼太郎さんの作品は「竜馬がゆく」を読んで以降、すっかり好きになり 、しばらくすると何かしらを読みたくなってしまう、というシンパ化、というか、ファンジンというか、単なるファンというか、贔屓というか、軽度依存症というか、そんな感じな昨今なのですが、すっかりハマルといっても、熟読しているわけではなくて、熟読なんてしていたら、先になかなか進まないのですから、ドラマをボケーと見ているような気分で、ボーっと読み進めればいいと思うのですけれど、というかそんな感じでヌボーっと読んで、というか見て、むむっと感じたところがあったら、ページをバックして、グイっとしっかり読みふけっているわけです。そんなペースで読まないと、次から次へとは読めませんもの。
竜馬がゆくに次いで、読みやすかったのは、「燃えよ剣」上下2巻なのですけど、主役は新撰組副長、土方歳三。「竜馬」と同じくらい面白くて、ある種マンガっぽく、ドラマチックで、泣きあり笑いあり別れあり、「竜馬」がゆっくり長編モノに対し、「歳三」はワンクール短期集中ストーリーで、展開が早く、グイグイ先へと惹きつけます。「竜馬」の8冊は大変だ、と思って手が出せない方は、「歳三」から読んでみてはどうでしょうか。きっと読書や幕末モノが好きになるのではないでしょうか。
で、今回がこちら「松陰と晋作」物語。全4巻、竜馬と歳三の間あたりの長さかなと思うのですが、これまた面白い。物語の展開が早く、内容も分かりやすい。というのは、幕末列伝を幾つか読んでいて、舞台情景が浮かぶから、というのが大きいのだと思いますが、それにしても、こりゃあ面白い。マンガティックであって、ドラマティックな長州の物語が今宵も続きます。
思想とは本来、人間が考えだした最大の虚構――大うそ――であろう。松陰は思想家であった。かれはかれ自身の頭から、蚕が糸をはきだすように日本国家論という奇妙な虚構をつくりだし、その虚構を論理化し、それを結晶体のようにきらきらと完成させ、かれ自身もその「虚構」のために死に、死ぬことによって自分自身の虚構を後世にむかって実在化させた。これほどの思想家は、日本歴史のなかで二人といない。
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