2006年07月28日

高杉晋作登場

世に棲む日日(2)新装版

[書評]
アマゾン楽天ブックス

風雲幕末前夜祭、第二巻。吉田松陰死す。そして高杉晋作登場。

司馬遼太郎さんの作品は「竜馬がゆく」を読んで以降、すっかり好きになり 、しばらくすると何かしらを読みたくなってしまう、というシンパ化、というか、ファンジンというか、単なるファンというか、贔屓というか、軽度依存症というか、そんな感じな昨今なのですが、すっかりハマルといっても、熟読しているわけではなくて、熟読なんてしていたら、先になかなか進まないのですから、ドラマをボケーと見ているような気分で、ボーっと読み進めればいいと思うのですけれど、というかそんな感じでヌボーっと読んで、というか見て、むむっと感じたところがあったら、ページをバックして、グイっとしっかり読みふけっているわけです。そんなペースで読まないと、次から次へとは読めませんもの。

竜馬がゆくに次いで、読みやすかったのは、「燃えよ剣」上下2巻なのですけど、主役は新撰組副長、土方歳三。「竜馬」と同じくらい面白くて、ある種マンガっぽく、ドラマチックで、泣きあり笑いあり別れあり、「竜馬」がゆっくり長編モノに対し、「歳三」はワンクール短期集中ストーリーで、展開が早く、グイグイ先へと惹きつけます。「竜馬」の8冊は大変だ、と思って手が出せない方は、「歳三」から読んでみてはどうでしょうか。きっと読書や幕末モノが好きになるのではないでしょうか。

で、今回がこちら「松陰と晋作」物語。全4巻、竜馬と歳三の間あたりの長さかなと思うのですが、これまた面白い。物語の展開が早く、内容も分かりやすい。というのは、幕末列伝を幾つか読んでいて、舞台情景が浮かぶから、というのが大きいのだと思いますが、それにしても、こりゃあ面白い。マンガティックであって、ドラマティックな長州の物語が今宵も続きます。
思想とは本来、人間が考えだした最大の虚構――大うそ――であろう。松陰は思想家であった。かれはかれ自身の頭から、蚕が糸をはきだすように日本国家論という奇妙な虚構をつくりだし、その虚構を論理化し、それを結晶体のようにきらきらと完成させ、かれ自身もその「虚構」のために死に、死ぬことによって自分自身の虚構を後世にむかって実在化させた。これほどの思想家は、日本歴史のなかで二人といない。


今日のランキングは
posted by susan at 01:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 司馬遼太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月24日

世に住む日日

世に棲む日日(1)新装版

[書評]
アマゾン楽天ブックス

江戸幕末の志士たちの物語が始まるほんの数年前、松陰吉田寅次郎という若者が世の中を走り回っていた。吉田松陰とその仲間たちの風雲幕末前夜ストーリー第一章。1975年発刊、司馬遼太郎作。

吉田松陰と高杉晋作を中心とした話になるわけですけども、1巻ではまだ高杉晋作は登場しなくて、松陰の幼いころの境遇から始まり、大人になるまでが描かれています。大人といっても、20代なのですけれど、読んでいるうちに、この時代の20代というものは、現代の30代から50代ぐらいに相当する感じだったりします。見栄えではなくて、モノの見方や考え方が、今よりもずっと大人前としていて、幼くないのですね。今がだらしない、というのではなくて、当時の時代背景や寿命とかの違いがあるのでしょうけども、今の世の中にしても、20代は大人としてもっと成長線を描いたらいいような気もします。30歳を過ぎたら、もう思考というか思想的には成熟期に入っていってもいいかも知れません。実際のところ、30歳を過ぎたあたりから、個人差はあるものの、記憶力とか週発力とか体力とか、全体的に身体が明らかにゆるやかあるときは急激に衰えてきている、衰退していることを実感するのですね、んん。
松陰は、過激者である。
ということは、この若者のどの部分から発するのであろう。松陰の他人に対するやさしさや、日常の節度、それに紀行文などにみられるつりあいのとれた物の見方などからすれば、両頬に目覆いをされた馬車馬のような絶対主義的思考者ではなさそうである。かれの視力は、十分に物事の左右前後表裏をみることができたし、その解釈力も柔軟であった。
しかし、その行動は、どうにもならず飛躍する。過激者というより、飛躍者という言葉があれば、それにあたるかもしれない。
頼まれたわけでもないのに走りまわるのを志士というのだが、松陰とその仲間は、幕末における志士の魁であったといえるであろう。
posted by susan at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 司馬遼太郎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月19日

裏読み

裏読み

[書評]
アマゾン楽天ブックス

「裏読み」という言い方というか、物の見方があって、物事、伝わる話、ニュース、噂なんかを言葉通りに受け取るのではなく、その情報から来るニュースの確信や本質をは何かというのを探ろうとするのが「裏読み」です。大人になると、幾らかの人は裏読みという言い方を知らなくとも、勝手にというか自然に裏読み的な発想で物事を見るようになるようです。幾らかの人は、死ぬまで裏読みの概念すらわからないようですけど。

夕方のニュースなんかをときどき見るのですが、キャスター(アナウンサー)のコメントがくだらなくて、バカみたいだと思ったりするのですけれど、実際はそうではなくて、彼らが自分よりも知的でないとは思えないので、与えられた枠の中で何かを吠えているのではないでしょうか。テレビとかマスコミとか政治とか、権力に絡むものには、組織的な圧力というものが必ずあって、個人の力ではどうしようもない風圧があって、つまりは言ってはいけないことや言わないといけないことがあって、つまりは私情とは違う発言をしなければいけない状況があって、その中でいかに真実を伝えられるか、がウデの見せ所なのではないかと思います。
前任者は十分な事務引継ぎをしたがらないもの
前任者が積極的にあなたを推薦してくれるなら、好意を持ってくれているのだからいいが、そのような場合はまれである。もし前任者がうまくいかなくて更迭され、しかも後任者は抜擢された、というような場合、前任者は後任者にあまりいい感じは持っていないだろう。そのうえで、後任者にバリバリ仕事をされると前任者としては立つ瀬がない。後任者が自分の時より成績をあげてくれないのが前任者には望ましいのだ。あるいはそこまではっきり意識していなくても、潜在意識としては当然そういった気持ちが働いているだろうと思う。
そこで、前任者は十分な引き継ぎをしたがららないという事態が起こり得る。後任者を困らせ、あまり成績をあげさせないためにである。だから昇進組は、積極的な引き継ぎをしてもらえないケースのほうが多いと考えていい。


bookランキング
posted by susan at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ハウツー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月18日

「県民性」なるほど雑学事典

「県民性」なるほど雑学事典

[書評]
アマゾン楽天ブックス

地域の風土や文化や歴史によって、人々の行動指針が違ってくるのですけれども、現代に至っても、けっこうそれはあって、交通が発達しても、テレビや情報網が行き届いても、距離というかズレというものはあって、それがわかると感覚のちょっとした差なんかが楽しみになるかも知れませんねえ。

熊本県民は、議論好きと一般に言われることなのですが、球磨の知人を見ていると、そうなのかねえ…、といった感じになります。議論好きねえ…。

甲府や京都の商人と付き合ったことがありましたけれど、商人気質があったのは、歴史的背景があったのかも知れません。二人とも商人家庭で育ったタイプなんでしょうね。って知らないって。

東京や神奈川、千葉、埼玉の首都圏に住む人は、よそ者が多いので、県民性が薄らいでいて、面白さはなくなってきているようです。それが新しい県民性を生むのでしょうけれど。人々を観察するのが好きな人や、心理学に興味がある人、地理的旅行が好きな人は、本書を読んでみたらどうでしょうか。

本ランキング
posted by susan at 07:16| Comment(1) | TrackBack(0) | ハウツー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

キャノン高収益復活の秘密

キヤノン高収益復活の秘密

[書評]
アマゾン楽天ブックス

バブル崩壊後、日本の企業は再生への道を模索していた。多くの企業が道しるべを失い、何をたよりに先に進んでいけばよいのかわからない。アメリカ企業をモデルとするのか、ヨーロッパなのか。はたまた独自の日本路線を標榜とするのか、探索は続く。2001年発刊。
「役員でも中間管理職でもボスと名のつく人間は上ばかり見るヒラメになるな。トップダウンをしろ。まず第一に正しい目標設定をする。そのときには部下の意見を絶対に聞くな。目標に向かうための戦略は周囲とよく調整しなければならない。細かな戦術については部下の意見をよく聞け。そして実行に移すときは率先垂範する。そうしないと、実際の進捗状況がわからなくなるからだ」
会社というものは、上手くいっているときは、つまり仕事があるときは、順調といえるのですけども、働く人間としては、忙しすぎると辞めたくなる、辞めてしまうポイントはあるのですが、会社としてはそれは順調と見られます。ところが、この仕事ってものが滞りはじめると、とたんに問題が噴出するんですね。管理職が売り上げ目標未達成の責任を負われ、一般職にそれが波及し、社内が荒れてくるわけです、よくもわるくも。そんな状況になって、はじめて逆境からの逆転劇場がはじまります。実力の見せ所というか、付け所なのだと思うのですが、それは並大抵のことじゃあ務まりません。簡単に務まるようなら、逆境ではないですって。
企業の中で改革を起こそうすれば、必ず旧勢力の抵抗や摩擦が生じる。日本型のサラリーマン社長ではこれを抑えるのは難しい。会社の中で順当に出世してきたサラリーマン社長は、逆に旧勢力の代表になっている場合も多い。よほどの使命感がない限り、大がかりな改革はできない。


読書ランキング
posted by susan at 06:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ビジネス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月12日

金融腐蝕列島

金融腐蝕列島(上)

[書評]
アマゾン楽天ブックス

ということで、企業小説を読みたくなっているこのごろだったりします。といっても、読んでいるうちに人間関係の嫌なところとか、会社組織にありがちなスタイルが描かれているので、そうなんだよなあ、と頷きつつもブルーな気分になっていったりもするんですね。主人公が正統派として描かれているので、ま、単純に自分と主人公を重ねあわせることになるわけですけども、おそらく多くの人は同じように主人公と心境を重ねると思うのですけど、といってもエリートとか大企業とかの部分は関係ないのですけれど、(自分から見て)変なヤツならば、そんな部分が琴線に触れるのかも知れませんね。

会社には、多かれ少なかれ嫌なヤツがいるもので、仕方がないというか、そういうものだと思うのですが、感性の違いというか、よくもまあそんな考え方になるよなあ、というヤツがいるんですね、世の中には。性格の違いというのではなくて、性質が違うんじゃないかと感じたりしますねえ。関わりがなけりゃあ、いいのですけど、関わる立場になると…ろくなことがありませんね。。

本ランキング
posted by susan at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月05日

虚構の城

虚構の城

[書評]
アマゾン楽天ブックス

大和鉱油に勤めるエリート社員、田崎の巻き込まれる企業小説。泣きあり、左遷あり、濡れ場あり、どんでん返しあり…。1981年発刊、高杉良著。

仕事勤めをしていると、ふとビジネス小説を読みたくなる時期があるもので、クルマのときはそうでもないのですけれど、電車通勤なんかしていると、とくにその傾向が強まって、仕事の行き帰りや移動で読みふけっていたりします。だいたい読みたくなるってときは、会社がつまらなくなっている時期であったり、不信感があったり、気に入らない上司がいたり、環境や処遇に不満があったりするときなんですね。不満や不信のぶつけどころ、というか、同じような境遇の人がいるはずだと思いながら、なかなか相談や意見の言い合える同志がいないので、読書にふけるってわけでやんす。
「――役人というと、とかく大過なくというか保守的になりがちだ。きつくいえばドロをかぶらないで逃げまわるようなひとが多い中で、逃げも隠れもせず産業界の発展のためにいつでも自分が防波堤になる、そういう人らしい――」


読書にふけります
posted by susan at 06:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。