2006年07月12日

金融腐蝕列島

金融腐蝕列島(上)

[書評]
アマゾン楽天ブックス

ということで、企業小説を読みたくなっているこのごろだったりします。といっても、読んでいるうちに人間関係の嫌なところとか、会社組織にありがちなスタイルが描かれているので、そうなんだよなあ、と頷きつつもブルーな気分になっていったりもするんですね。主人公が正統派として描かれているので、ま、単純に自分と主人公を重ねあわせることになるわけですけども、おそらく多くの人は同じように主人公と心境を重ねると思うのですけど、といってもエリートとか大企業とかの部分は関係ないのですけれど、(自分から見て)変なヤツならば、そんな部分が琴線に触れるのかも知れませんね。

会社には、多かれ少なかれ嫌なヤツがいるもので、仕方がないというか、そういうものだと思うのですが、感性の違いというか、よくもまあそんな考え方になるよなあ、というヤツがいるんですね、世の中には。性格の違いというのではなくて、性質が違うんじゃないかと感じたりしますねえ。関わりがなけりゃあ、いいのですけど、関わる立場になると…ろくなことがありませんね。。

本ランキング
posted by susan at 13:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月05日

虚構の城

虚構の城

[書評]
アマゾン楽天ブックス

大和鉱油に勤めるエリート社員、田崎の巻き込まれる企業小説。泣きあり、左遷あり、濡れ場あり、どんでん返しあり…。1981年発刊、高杉良著。

仕事勤めをしていると、ふとビジネス小説を読みたくなる時期があるもので、クルマのときはそうでもないのですけれど、電車通勤なんかしていると、とくにその傾向が強まって、仕事の行き帰りや移動で読みふけっていたりします。だいたい読みたくなるってときは、会社がつまらなくなっている時期であったり、不信感があったり、気に入らない上司がいたり、環境や処遇に不満があったりするときなんですね。不満や不信のぶつけどころ、というか、同じような境遇の人がいるはずだと思いながら、なかなか相談や意見の言い合える同志がいないので、読書にふけるってわけでやんす。
「――役人というと、とかく大過なくというか保守的になりがちだ。きつくいえばドロをかぶらないで逃げまわるようなひとが多い中で、逃げも隠れもせず産業界の発展のためにいつでも自分が防波堤になる、そういう人らしい――」


読書にふけります
posted by susan at 06:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月22日

人事異動

人事異動

[書評]
アマゾン楽天ブックス

頭脳明晰ビジネスマン新井さんのリタイアまでのストーリー。できるがゆえに権力と嫉妬の渦に巻き込まれていく…。1982年発刊(「自らの定年」という題名で先に連載)、高杉良さん作ビジネス小説。

ちょうど今、会社の仕事のことで悩んでいることが多くて、言ってみれば、事業や業績は勝手に上向いている状況で、要は景気は良くて、これは自分たちの営業力のおかげではなくて、市況がそうさせているというのが私の判定なんだけども、そうはとらずに自分たちの営業のたまものだとアピールしているやからがいて、実際に当人たちはそう思っているふしがあって、勘違いも甚だしいのだけど、世の中ってのは、十人十色で到底自分には理解できない構造認識をもつ人っていうものが存在していて、それ自体は認めるけれども、実際にそれらが自分の周り、直近にいたとするときに、どれだけの対処が自分にできるかといえば、それは案外どうにもならないのだと思います。

どうしようもねえなあ、と思う人が自分の上司だとしたら、あなたならば、どうしましょう。そんな思いに悩まされている昨今に、こんな感じのビジネスマン小説が読みたくなるんですねえ。自分を当てはめてみたり、他者を登場人物に当て込んでみたりして、気分を紛らわしたり、倫理観や道徳観について考えたりしている今日この頃だったりします。そんな方って案外多いのではないでしょうか。
posted by susan at 21:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月07日

秘祭

秘祭

石原慎太郎作品、昭和59年発刊。
沖縄県の八重山列島のとある島をヒントにして創作された物語で、島内には17人の住民しかいなくて、主人公の敏夫は会社の本島リゾート化計画の一環としてここへ赴任することになった。だがしかし、この島には奇妙なことがあるようだが…。

年に1度の秘密の祭があって、そこでは他人には見せない古来の伝統が育まれていて、それを見ようとした者は、集団リンチにあい、そして敏夫にも魔手がくだされたのであった。

いつの時代になっても、どこかしらで存在する閉塞された空間というものがあって、長く安定した生活をしていると、忘れてしまうのですけれど、本書を読んで、ふと不安になったりします、世の中にはミステリアスな部分がもっとあるのではないかと。

[書評]
アマゾン楽天ブックス


最新本ランキング


posted by susan at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月03日

僕は結婚しない

僕は結婚しない

石原慎太郎著、2003年文庫発刊。石原都知事の書かれた本なので、ちょいと興味をもって読んでみました。短いストーリーなので、ふと読んでみてはどうでしょうか。

内容的には、大きな事件も展開もなくて、宣伝文句には物凄い事件があるかのように謳われているのですけれど、実際は大したことは起きなくて、日記のような感じで主人公の主観や主張が綴られていきます。「ライ麦畑でつかまえて」のような感じもあったりします、文体が。

[書評]
アマゾン楽天ブックス



読書ランキング
posted by susan at 08:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月26日

草野球の神様

オンライン書店ビーケーワン:草野球の神様草野球の神様

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス

ビートたけし短編集5編。平成4年〜8年小説新潮掲載。

草野球の神様

約束

動物園にて

我が闘争

ドラコン王

どちらの物語も一般人の中年サラリーマンが主人公で、一夜の女との付き合い方や、世の中年の哀愁を知ることができます。

おそらく、ところどころが実際のモデルとか体験に基づくもので、ところどころが他人に聞いた話やニュース、耳に入ってきた情報をミキシングしているのでしょう。

タケちゃんのフアンならば、読んでみたら温かみと客観的な描写を楽しめるのではないでしょうか。

静かな描写が好きな人にはたまらないのでしょう。
本・読書ランキング

posted by susan at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月13日

三四郎

夏目漱石3部作の最初のストーリー『三四郎』。大学入学のため、故郷熊本から汽車に乗って、上京することになって、向かい席の女性と一夜をともにし…。漱石の小説の中では、比較的明るい雰囲気の物語になっていて、主人公の若々しさや初々しさが感じられます、明治後期の風潮でしょうか。明治41年、朝日新聞連載、1938年単行本発刊。

オンライン書店ビーケーワン:三四郎三四郎

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス

[みなさまのご意見]
イコールの橋 くれはやし・しゅんさん
WINTER WONDERLANDさん
ニッキ雨さん
私はこんなものを読んでます。さん

現代だと、熊本から東京に来るとしたら、飛行機を使って1時間程度ですむのですけれど、汽車が普及した時代ならば、1日か2日ぐらいかけて、その距離を移動していました。だから、今よりも旅路がロマンチックあるいはドラマチックになる可能性が高かったのかなあ、と思います。

携帯電話やデジタルコンテンツが普及したおかげで、便利になったこともたくさんあるのですけれど、駅前で待ち合わせをして、会えないまま帰ったとか、綿密に逢引の準備をしただとか、旅先で愛撫を重ねたとか、ご当地弁当を食べたとか、時間的必要不可欠な部分を失ったところもあります。

明治時代は、名古屋でロマンスが多かったとか、そうでもなかった、とか。


人気blogRanking←本・読書ランキングは




posted by susan at 06:38| Comment(2) | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月25日

家族八景



人の心を読める超能力をもつ19歳の娘、火田七瀬の家政婦物語。昭和47年発刊、筒井康隆作品。

七瀬個人は、弱弱しくて超能力をもっている風には見えなくて、それでいて、人間観察は鋭くて、接触する人の偽善欺瞞を見ています。昭和40年代から、現代と同じ風潮があって、変わらない人々の無意識の羅針盤があって、他人を嘲ったり、軽蔑したり、妬み、恨んでいる人間模様がわかります。ホントに今の世の中と変わらないなあと感じます。景気が良かったり悪かったり、経済が成長していたり、衰退していたり、時代で社会風潮が変わると思うところがありますけれど、細かな部分にわけて見ていくと、いつの時代も同じことが繰り返されていることがわかります。敗者は勝者の足を引っ張り、勝者は敗者の頭を蹴っぽっている。

文中に出てくるカッコの中の心理が、面白くて、途中半ページぐらい連発する箇所があって、もう可笑しいです。その間の実際の無言の間が絵に浮かびます。

オンライン書店ビーケーワン:家族八景家族八景

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス

[みなさまのご意見]
マンガと小説はおもしろいですよさん
ひまわりが太陽に背を向けたさん



人気blogRanking←本・読書ランキングが分かります。

posted by susan at 11:53| Comment(3) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月14日

聖なる予言

南米ペルーで未知なる精神世界を悟るスピリチュアルストーリー。九つの気づきとは。偶然の必然、九つの気づきとは。1994年、全米ベストセラー。

聖なる予言聖なる予言

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス本・読書ランキング

[みなさまのご意見]
図書館で読書さん
あなたもレイキが もっとできるようになるさん

人生において、人々はあるときから重い悩みを抱きはじめ、誰しもがその解決方法を探すようになります。人間の生活には、精神のよりどころというものが必要で、指針となる思想や教えに頼って、また従って生きていくことが精神の安定につながるのだと思います。答えのない事物については、互いの議論を戦わせても、解決はしないのでしょう。そして解決しないことがあることを認めると、人間の相対関係に余裕ができて、他人を否定したり、妬んだり、恨んだりすることがなくなるのでしょう。

精神世界、スピリチュアルな世界というものは、あるところでは宗教的要素を含んでいますけれど、究極は無心の世界なのではないでしょうか、一切の争いのない無心。無心になることって、以外と大変なのですものねえ。

人気blogRanking本・読書ランキング



posted by susan at 11:47| Comment(1) | TrackBack(5) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月13日

海と毒薬

終戦間近、ある大学病院で米軍捕虜の生体解剖が行われた。死体解剖に対して普段はできない生体解剖、生きた人間を解剖することに関わった人たちの手記調ストーリー。遠藤周作著、昭和35年発刊。

オンライン書店ビーケーワン:海と毒薬

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス本・読書ランキング

[みなさまのご意見]
mako0079さん
■think 〜日常のブレークスルー〜さん
My Recommend Books !さん
今日のグッとNews!さん

生きている人を解剖する欲望そして人を殺す興味、罪悪感について、僕らに考えさせます。映画化、ドラマ化を前提にして書かれる小説とは違った文学的文体で、景色はドストエフスキーの「罪と罰」のようで、それよりも展開が速くて舞台が日本なので、すっきりしてわかりやすい物語になっています。日本文学に傾倒しているときに読んでみてはどうでしょうか。
生体解剖の内容は、捕虜3名を使う。

1)第一捕虜に対しては血液に生理的食塩水を注入し、その志望までの極限可能量を調査す。

2)第二捕虜に対しては血管に空気を注入し、その死亡までの空気量を調査す。

3)第三捕虜に対しては肺を切除し、その死亡までの気管支断端の限界を調査す。

殺人や犯罪に対する罪の意識の差というものは、時代や居場所の環境によって変わってくるのだと思います。また本能的に罪悪感を抱くように物事はできていて、また先天的な意識の差もあるるのだと思います。また罪と感じない人には、罰は当たらないのだとも思います。他人がどう思おうと、何かを信じている人は救われ、罪を意識した人には罰が当たるのでしょう。

人気blogRanking←今日の本・読書ランキングはこちら



posted by susan at 10:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月14日

心狸学・社怪学



筒井康隆SF短編集、心理学と社会学の各7編。昭和50年文庫初刊。
●心狸学篇
 条件反射
 ナルシシズム
 フラストレーション
 優越感
 サディズム
 エディプス・コンプレックス
 催眠暗示

●社怪学篇
 ゲゼルシャフト
 ゲマインシャフト
 原始共産制
 議会制民主杉
 マス・コミュニケーション
 近代都市
 未来都市
心狸学・社怪学心狸学・社怪学

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス本・読書ランキング

[みなさまのご意見]
気まぐれブログさん
人愛塾さん
告白するなかれさん

心理学と社会学に関心を抱いたら、まずは読んでみたらいいのではないでしょうか。学問はなかなか難しいのですけれども、興味を抱いた瞬間からやってみましょう。古くから、すごい変な短編があって、これらに影響された若い作家がいるのだなあ、と思いました。突拍子もない発想と空想と風刺や人間の根源があって、作家作文というものは自由気ままに書いてしまっても良いかも知れない、そう感じます。ただし、できあがった文章がまともでないので、センスや才能や技術や知識や知能が左右するような気もします。

昔、自分が社会学を専攻していたことを思い出して、ゲゼルシャフトやゲマインシャフトといったあまり覚えられない、普段は聞かないカタカナがあって、当時は全く勉強しなかったので、たった今それらの意味を学びました。学ぶってことは、興味を持つと言いかえても良いかも知れません。興味を持ったことには、自然と学びがあって、自ら学ぼうとするのですねえ。

そう、もっと思い出したことがあって、進学できなくて再試を受けたときの試験内容がゲゼルシャフトとゲマインシャフトを説明せよ、でした。ああ、これだったのだ。先に読んでおけば、試験の役に立ったのだと思います。

人気blogRanking←今日の本・読書ランキングはこちら

posted by susan at 15:55| Comment(1) | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月21日

あのひと

ビートたけし処女短編集。

ラッシャー板前やたけし本人という実在の人物が小説の主人公になっているので、イメージがしやすくて、誰もがストーリーにスッと入っていけると思います。また、たけちゃんの歩んできた道程がわかって、短編小説であってノンフィクション的な読みごたえのある実物語となっています。

現代をいい時代だと思う人もいるし、変で嫌な世の中だという人もいると思うのですけれども、10年前や30年前にも、全く同じように思っている人はいて、ある人は悠々自適の生活をしているし、ある人は日々の生活と将来の不安に苦労していて、ふと考えれば、東西古今同じことが延々と繰り返し行われていて、そうはいっても、時代の当人にとっては、初めての経験ならば有意義で貴重な人生体験であって、それこそが人生そのもので、それが人生であって、生きる意味というものは、生きている、ということそのもので、そして自ら人生を切り開いていくことこそが生きることそのもので、それはどの時代にあっても不変なのでしょう。
オレには目的があるんだ。どうやって生きていったらいいか、わかっているんだ。さあ、みんなの顔を見にいこう
[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス本・読書ランキング

オンライン書店ビーケーワン:あのひとあのひと

posted by susan at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月19日

氷点

自分の子を殺した犯人の子をもらって、それを知らぬままに妻夏枝は犯人の娘陽子を育て、そしてある日その事実を知り…。

キリスト教の原罪をテーマにした三浦綾子作品。ストーリーがわかりやすいので、誰にも読みやすくて、また考えをめぐらせるしっかりした題材が詰め込まれています。どんどん先を読みたくなっていくと思います。上下巻のあとに、続編へと続き、終盤には驚きのカーチェイス、そして納得の結末へ。

三浦綾子さんの作品は、どれもが北海道を舞台にしていて、北海度が好きな人は、また行きたくなってしまうでしょう。

旭川から1時間くらい行ったところに層雲峡があって、滝がいくつか流れていて、パノラマ写真を縦にして撮りました。それをバックに自分が入ったのですけれど、後で見てみたら、えらく長細い自分が写っていたことを思い出します。パノラマ写真を縦にして、人物を撮ってみてみてください、迫力がでます。

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス本・読書ランキング

オンライン書店ビーケーワン:氷点 上氷点

posted by susan at 00:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月16日

痴人の愛

大正デモクラシーのリベラル思想の社会風潮を詠った偏愛物語。谷崎潤一郎作品。

若者が読んでも、よく身にしみないのではないでしょうか。ちょいと歳をとった男女が読んでみたら、ふむふむと空想しながら読めそうです。観念的な愛欲というか性欲は歳をとるほど増えてきて、空想にふけるのは専ら年寄りなのでしょう。

奈緒美という女性が登場するのですが、奈緒美っていい名前だなあ、としょっぱなから、その名前に魅せられてしまいます、いい名前だよなあ。

どうして譲治さんは、痴人になってしまうのだろうと、先行きを心配になりながら読んでいくと、終盤に流れるように展開されていきます。なあるほど感心、そうやって僕等(私たち)は他人に翻弄される快感を覚えていくのかも知れません。

不倫の恋をしている人なんかが読んでみてはどうでしょう。

[みなさまのご意見]
No Alternativeさん
Cut the Kids in Halfさん
***act on instinct***さん

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックス本・読書ランキング

オンライン書店ビーケーワン:痴人の愛痴人の愛

posted by susan at 06:50| Comment(1) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月04日

ジョニーは戦場へ行った

青年ジョニーは、戦場へ行って、とんでもないことになってしまった。衝撃的で悲しい物語。

成人になってから読んでみたらいいのではないでしょうか。あんまり若いときに読んでも、若さゆえの死への恐怖がなくて、ことの恐ろしさを想像できないと感じてしまいます。

この物語は、人間そのものがテーマなのだと思います。僕らに目をつぶらせて想像させよとしているのでしょう。

意識が戻っても、何も見えないし、音もない、しゃべることもできない。だから、自分の意識が何者なのか、しばらく理解できない、自分なのに。

脳みそと心臓は動いているから、たやすく死ぬこともない。だんだんと意識だけがはっきりしてきて、自分の姿が想像できるようになってきた。目が見えなくて、耳も聞こえない、鼻もなくて、口もない、舌もない、普通の呼吸をしていないみたい、顔面が吹き飛んでいるのだ。

動かす腕や足も見当たらない、両腕、両足もないのだ、それらは全て切断されている、何も触ることもできないのだ。

何もすることがない、何もできない、何も。そして自殺することも。

本・読書ランキングはこちら

[みなさまのご意見]
Here Comes The Sunさん
読む映画さん
とりがら時事放談さん

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックスblogランキング

ジョニーは戦場へ行ったジョニーは戦場へ行った

posted by susan at 21:50| Comment(1) | TrackBack(1) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月02日

老人と海

読書家なら必ず読んでいるといるだろう1冊、アーネスト・ヘミングウェイ作。

ストーリーがシンプルで、視覚的に動きのある場面が展開しているはずなのに、どこか淡々といしていて、独特の空気が最後まで続きます。読書好きでない人にとっては、どうも面白くなくて、今後読書をしなくなりそうです。

物語はシンプルなので、数年後にまた読んでみたら、感じる部分が変わってくるのだと思います。スラスラッと読んでいって、自分の中で場面に起伏をつけていけばよいのではないでしょうか。

そして、もっと歳をとったころに、人には知られない自分だけが味わっている、関わっている困難や努力すべき出来事がおこり、そのときに、この老人の心境を感じとることができるのだと思います。(だから、今はつまらなくても、老人の話を聴きなさい、いや読みなさい)

本・読書ランキングはこちら

[みなさまのご意見]
本音を聞いてくれ!さん
僕のアメリカ移住スケッチBOOKさん
I WILL BE A TOP ○○さん

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックスblogランキング



オンライン書店ビーケーワン:老人と海老人と海
posted by susan at 07:15| Comment(2) | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月29日

少年H



昭和ひとけた、H少年の物語。

太平洋戦争時期の日本の生活雰囲気を知りたい人には、より興味深く読めるのではないでしょうか。8月15日からさかのぼって、当時の庶民生活が戦争の渦中になる過程がわかります。

少年Hは、少年だと思っている人が多いですれども、本当はそうではなくて、著者の河童さんの現在の心の姿なのだと思います。悲惨なことを言いたいとか、戦争の何たるかを訴えたいのではなくて、人の経験していない自分だけの興味深い経験を書いて伝えたい、ということなのだと思います。情景を浮かべるのは聞き手、読み手の自由なイマジネーションですよ、と言われている感じがします。

現代のH少年が大人になったら、現代の起きている変な事件と自分の貴重な見聞をくっつけて、後世の人におもしろおかしく、そしてせつなくそれらを伝えるのではないでしょうか。


ホントは、人の言うのを真に受けることなんてないのですけれど、事実と違うことを言ったり書いたりされては困るのよ、と言う人がいて、人の言うことをそんなに真に受けなければいいじゃない、と思うのですが、その人は真に受けるので、こちらも困ります。都合よく解釈してくれればいいのに、と思ってしまいます。

それから、近所のお婆さんが、焼夷弾や進駐軍に詳しかったり、自分の知らないことを知っていたりするので、年寄りのお話は素直に聴くものだなあ、と反省。

本・読書ランキングはこちら

[みなさまのご意見]
どすこい喫茶『ジュテ〜ム』さん
零式改さん
TALK W/O LIPsさん

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックスblogランキング

オンライン書店ビーケーワン:少年H 上巻少年H
posted by susan at 00:35| Comment(1) | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年04月12日

沈まぬ太陽

日本航空をモデルとした半ノンフィクションベストセラー。

大手航空会社に勤務するオンチ君が主人公で、「善人」のモデルとなっています。全5巻にわたって、善をまっとうすることが1つのテーマであり、テーゼになっています。

オンチ君の反対のモデルがギョウテン君で、企業・社会を上手く生きていくために、正義を見てみぬふりをしたり、不正を行ったりします。こちらが大勢だったりもします。

日航ジャンボ機の事故の詳細を知りたくて、本を調べていたら、「沈まぬ太陽」を知った人が多いようです。御巣鷹山編から読んでもよいですが、最初から読んでもよいと思います。

本書を読むことで、当時の当事者の大変なことがうかがい知れます。当時、私は、大変だろうなあ、というぐらいしか思っていなくて、テレビをずっと見ていたものです。何も知らないっていうのは、幸せで、テレビの発信する情報を見るだけですから、本当はどうなっているかは、現場にいる人しかわからないのだと思います。

1985年8月12日、このころを知っている人が読むと、当時の記憶がよみがえるのではないでしょうか。私は茨城の海に行って、カニを取ったりしていました。

[みなさまのご意見]
Konodor_Blogさん
多字騒論さん
La Vie En Roseさん

[書評]
ビーケーワンアマゾン楽天ブックスblogランキング

オンライン書店ビーケーワン:沈まぬ太陽沈まぬ太陽

posted by susan at 16:42| Comment(5) | TrackBack(2) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。