[書評]
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組織の構造的欠点、合理性、非合理、頽廃について、するどく考察研究指摘している1冊となっています。役所や企業、会社、コミュニティに通っている方が読んでみたら、参考になるのではないでしょうか。とはいっても、人生経験の少ない人が読んでも、それほど思い当たる箇所は少ないかも知れません。というのは、社会で生きていくうえで、正論や常識(だと思っていること)では通じない感情の面、人間の性とか業とか、数学的でない面の人生経験をしてこを本書の内容に共感や学び気づきを得られると思うのです。199年初版。堺屋太一著。
堺屋さんは、成長期以降の世の中について、たくさん記されていて、本書もその1つになっているのですけれど、分かりやすく読みやすい部類だと思います。面白いというよりも、答えを知りたい、教えてほしい、といった感覚で読み進めてしまいます。ある程度の答えというか、方向性というか、うねりというか、世の中の流れや法則、というものを知ることができ、読んだだけで勉強になると思います。どう解釈するか、何をどう捉えるかは、もちろん読者によりますけれどね。子供が読んでも、分かりはしないでしょ、大人に読んでもらいたい1冊、夏休みにね。ふむふむと読める子がいるならば、そいつは天才の1人だと思います。
組織は、個人よりもはるかに成功体験に溺れ易い。というのは、ある戦法、ある事業で一度成功すると、その成功の功労者たちが組織の中の主流派になり権威と権力を強める。このため、その人たちの専門分野の権限が拡大し、以後の判断も成功体験分野からの支店に偏するのである。
しかも、一度、そのような組織構造ができ上がると、後から組織に加わった新人たちも、将来の主流派を目指して現主流派に加わろうとするため、過去に成功体験のある分野には有能で野心的な人材が集中する。同時にサポーティング・セクション、例えば総務とか経理とか予算とかいった管理分野も、将来、主流になる人々の好感を得ようとして成功体験分野を有利に扱う。例えば今は同じ大佐でも、将来海軍次官・連合艦隊司令長官になりそうな主流畑の人の要求には予算を付けるが、主流を離れた新規分野の大佐なら、すぐ少将で退役と思うから予算要求に応じない、というわけだ。いったん成功した者が主流派を構成し、現在の権力と将来の出世可能性を独占するので、成功体験分野での同じ方法論が繰り返されることになるわけである。
しかも組織の場合は、成功体験の繰り返しで失敗すると、主流派は、結束して「今回の特殊事情」を並べ、「方向は正しかったが運が悪かった」と主張し、その地位と権限を守ろうとしてこれを批判する「正論」を弾圧する。このため、ますます創造性と改革性が失われ、成功体験への埋没がひどくなる。成功体験への埋没が、立派な組織を「死に至る病」に陥れるのには、こうした組織力学も関係している。
しかも、一度、そのような組織構造ができ上がると、後から組織に加わった新人たちも、将来の主流派を目指して現主流派に加わろうとするため、過去に成功体験のある分野には有能で野心的な人材が集中する。同時にサポーティング・セクション、例えば総務とか経理とか予算とかいった管理分野も、将来、主流になる人々の好感を得ようとして成功体験分野を有利に扱う。例えば今は同じ大佐でも、将来海軍次官・連合艦隊司令長官になりそうな主流畑の人の要求には予算を付けるが、主流を離れた新規分野の大佐なら、すぐ少将で退役と思うから予算要求に応じない、というわけだ。いったん成功した者が主流派を構成し、現在の権力と将来の出世可能性を独占するので、成功体験分野での同じ方法論が繰り返されることになるわけである。
しかも組織の場合は、成功体験の繰り返しで失敗すると、主流派は、結束して「今回の特殊事情」を並べ、「方向は正しかったが運が悪かった」と主張し、その地位と権限を守ろうとしてこれを批判する「正論」を弾圧する。このため、ますます創造性と改革性が失われ、成功体験への埋没がひどくなる。成功体験への埋没が、立派な組織を「死に至る病」に陥れるのには、こうした組織力学も関係している。
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